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辞書で「コーチ(coach)」という言葉を引くと、1.「馬車」「乗合バス」2.「家庭教師」3.「スポーツのコーチ」がでてきます。この3つの共通項は目標達成のサポートをしているということです。馬車というのはその人を目的地まで運ぶとか、大切なものをその人に送り届けるという役割、家庭教師はその学生の望む学校に合格させるという役割を持っています。スポーツのコーチはその選手の能力を引き出し大会で優勝させたり、自己の最高の記録を作っていくサポートをします。コーチとは、あくまでサポート役で必ず相手がメインになります。メインにある人がいて、その人の目標達成をサポートしていくのが、本当の意味でのコーチです。
スポーツの世界では、往年の名選手が必ずしも良いコーチになる訳ではありません。かえって自分のやり方や成功パターンにとらわれて、一方的な指導(押しつけや指示)に終始し、選手の自発性や創造力を妨げてしまうケースもあるようです。同じようなことが、仕事(マネジメント)の場面でもあります。管理職になったり後輩を持つようになると、部下や後輩がうまくいかない時、「このやり方がベストだ」「私があなたの頃には…」「言ったとおりにやれば間違いない」と自分の体験や自分の考えを相手に押しつけているという場面を見ることがあります。
「ああしろ」「こうしろ」は上司の経験から培われたもので、今の部下や後輩の状況、環境、人間関係にあてはまるものではなく、また部下や後輩の能力、スキル、価値観とイコールになるものでもありません。
ここ数年、トップや経営幹部に答えがあるのではなく、現場に答えがあると言われています。今日は、現場の声をいつも聞いている人達にこそ真の答えがあると言っても過言ではないでしょう。正確に言えば、現場の部下や後輩から上がって来た声(情報)をいかに管理職が聞き、加工して現場に戻せるかということになります。

コーチングがいち早く注目され、発展を遂げたのはアメリカでした。マネジメントの分野でコーチという言葉が使われ始めたのは1950年代です。合理的発想が得意なアメリカで、「スポーツ選手にコーチをつけると記録が伸びるのなら、組織においても上司が部下にコーチングできれば、きっと部下の成績はアップするだろう」と考えられ、そこから「マネジメントにおけるコーチ」という概念が生まれました。
「人のやる気を引き出すコーチ」を切り口にマネジメントの分野でコーチングの研究が進み、組織の中のコーチ、部下や後輩に対するコーチングが、30年の年月をかけて体系立てて創られてきました。日本に「コーチ」が入ってきたのは、1997年のことです。マネジメント分野のコーチを育成するためのプログラムがスタートしましたが、当時はごく一部の人にしか認知されていませんでした。
企業がコーチングに着目したのは2000年頃からで、管理職のための部下指導、人材育成のためのコーチング研修として採用し始めました。そして2002年頃より病院や福祉介護施設で、2004年頃より自治体、教育委員会や各種学校でも採用されました。いずれも管理職やリーダーによる、部下や後輩に対しての「上司部下型のコーチング」が主でした。
コーチングが普及して10年経ちますと、コーチングのニーズは変化してきました。企業では人のやる気を引き出すコーチングが、お客様に向けられてきました。営業職販売職の方が、自社の商品サービスをお客様が買いたくなるようにする「セールスコーチング」として活用するようになりました。
また病院では現在、患者様のモチベーションを上げたり、自己管理(コントロール)をして頂くための指導場面に使われています。特に慢性疾患の患者様、辛い気持ちを聞いて欲しいというがん患者様やそのご家族の方へは有効とされています。
教育界でも、子供たちのやる気を引き出したり、PTAの方々とのコミュニケーションや人間関係作りにも活用されています。
- みるみる活かせる!ふたつ上のコーチング<発展号>
- AEグループ代表 野津浩嗣が、正月・GW・お盆も休みなく毎日連続で執筆しています『プロコーチ“のつ”の徒然日記』がふたたびコーチングの本になりました!

















